松山離島振興協会では、忽那諸島9島の活性化を目的に各種活動を展開しています。そのような中においては、次代を担う島の中学生に対し協会の活動への理解を深めてもらえるよう働きかけることは、今後何にも増して重要ではないかと思っています。
そこで、協会では、その第一の取り組みとして中島中学校生徒たちとの意見交換の場を設けることを企画しました。
具体的には、松山市の行う「みんなの松山わいわいトーク事業」を利用し、行政の離島振興担当課である企画政策課を招いて、子どもたちに官民共同の取り組みを行政と協会の双方から紹介しながら、島に住む子どもたちの忌憚のない意見を聴く機会としました。
平成19年1月23日、中島中学校の生徒たちが、仮設校舎から新設校舎への引越しを終えたばかりの頃、協会と島の中学生との意見交換会は実現したのです。
当日、中島中学校を訪れた私たちをまず驚かせたのは、子どもたちが自ら考えたという意見交換会の段取りや、進行の手際の良さです。それに加えて、もうひとつ驚かされたのは、そこに集う子どもたちの真剣な眼差しでした。
曇りのない、澄んだ眼でまっすぐに見つめられると、さすがの田中会長も少し照れたようでした。しかし、そこは田中会長、すぐさま思いついた英語の自己紹介で、たちまち子どもたちの心に飛び込んでいきました。こうして意見交換の会はスタートしました。
中島中学校の1・2年生全員が参加してくれた本意見交換会には、興居島中学校の全2年生8人も参加してくれ、中学生の交流にも一役買いました。
さて、意見交換会の本編はといいますと、協会のメンバーもそれぞれ加わった班ごとで協議を進める形態がとられ、メーンテーマとなった「自分たちが考えた島の将来像」について、侃々諤々の活発な議論が交わされました。
その議論の中で、子どもたちなりの視点や創造性で、徐々に島の未来絵図が立体的に形作られていく様子は、子どもたちにとっての着実な成長の過程であり、また、今後、彼らが様々な機会を得て、自分たちの住むふるさとのことを考えるようになるための大切な一歩であったと感じています。
そして、会の終わりには、協会の顧問であり、協会の前身「みんなのまつやま夢工房」の会長であった山野先生の著書「忽那諸島界隈はええとこぞなもし」が、協会から中学校へ贈呈され、閉会となりました。
中島中学校校長先生のコメント
松山市、松山離島振興協会、興居島中学校を迎えて実施されたこのイベントは、本校の生徒にとって貴重な経験となるものであった。生徒は日々の教育活動で島について考える機会は少なくない。しかし、行政側や他校生徒から直接情報を得ることはむつかしい状況である。中島の未来について真剣に考え、中島の良さも再発見できた会となった。また、この会が「しまサミット」へ、さらに「しま博」への序となることを期待したい。
なお、11月には、興居島中学校での同様の意見交換会を予定しており、その時は、中島中学校の生徒が興居島を訪問することとしています。